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本当に欲しい人材は、日本に100人もいない
このタイトルで、軽くショックを受けた人もいることだろう。現代の日本の企業を取り巻く環境が大変厳しいものだということぐらいは、知っているはずだ。長引く世界規模の不況、にもかかわらず、そのなかで各企業は日本以外の地域でビジネスを展開し、グローバル競争を勝ち抜いていかなければ、その存続自体が危ぶまれる状況にある。企業は、すでに外需をより稼得しなければ存続出来ない環境に晒されている。日本でダメならアジアに行かないと次がない、というように、企業は生き残りのために、今までにもまして海外に進出するようになっている。顧客は、日本から世界全体へと拡がった。企業が今、必要としているのは、こうした「世界で戦える人材」であり、彼らは海外で成功を収め、その企業の存続や更なる成長を齎しうる「次世代の幹部候補」となる。つまり企業は自分たちが生き残るために世界中で戦い、新しい価値を創出してくれるような人材を渇望しているのである。
就活生を取り巻く環境
このような状況の中で、企業は口を揃え「世界で戦いたいという気持ちのある、強い人材が欲しい。」と言う。頭脳だけでなく、タフで人間的な魅力にあふれ、リーダーシップを取れる「真の選りすぐり」だけが必要とされている。企業は、長期間働いてもらうことになるかもしれない人材を、妥協で選ぶことはない。某外資系企業では40名以上の社員と面接をさせる企業もあり、また、実際、これだけ学生が熱心に就職活動をしているにもかかわらず、「本当に欲しい人がいない」という理由で採用枠を埋めきれない企業も多くある。これは、就職氷河期ではなく、「人材氷河期」と捉えられる。では、日本で採用枠分の人材を採れなかった企業は、どうしているのか。世界に目を向ける。
海外留学経験者、現在海外大学で学んでいる人、学んできた人。もはや日本人でなくても、日本語が話せなくても構わない、「世界で戦える人材を、世界から採用したい」という企業がどんどん増えている。アジア各国や欧米から積極的に人材を採りたいという方向に、日本企業は向かい始めているのだ。今までは国内の日本人で埋められていた枠が、急激に国外の人材の枠にすり替わることで減っていく。
私は、思う。これは「本当に人材氷河期」だろうか?
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